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NO WAY TO STOP MY STEPS.
EVERY TINY THING ENCHANTS ME.
STILL CHARMED IN THE DREAM.


updated: 2009-04-28

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>> 08/30 >> バルタバスからの招待状

バルタバス。
ヴェルサイユに馬術アカデミーを設立し、騎馬パフォーマンス劇団「ジンガロ」を主宰する、アーティスト。日本でも、4年ほど前に公演を行ったので、覚えている人もいるかもしれない。

そのバルタバスが、新しい演目「Les Juments De La Nuit」を発表するというので、さっそく見に行ってきた。

DSCN2469.JPG会場は、ベルサイユ宮殿のネプチューンの泉。水上にしつらえたステージは真っ黒に染められ、水面のゆらめきが、舞台奥に建てられた扇形のスクリーンに妖しげに照らされる。さっきまで茜色だった夕闇は、紅から群青へ、観客が集まるにしたがって徐々に深みを増す。月のない夜。彼方にそびえる宮殿は、漆黒の闇に溶けてゆきながらも、その存在感は絶対的な影となって残っている。

いつのまにか、頭上にまたたく金色の星。客席を満たすざわめきがエネルギーとなって、空のステージに流れ込む。これが十分に満たされたとき、幕のない舞台はスペクタクルの始まりをつげる。

息をのむような演出、ディテールの美しさ、人間と馬が互いに呼応するパフォーマンス。黒と白と赤の鮮やかなコントラスト。軽やかにステップを踏む白馬の脚どりは、闇の中でなまめかしく、バレリーナのようにしなやかだ。そしてベルサイユの、しかもネプチューンの泉だからこそ成し得た、夢幻の世界。つたない言葉でバルタバスの世界観を壊したくないので詳細は控えておくけれども、フランス的な美意識と日本の侘寂とが渾然一体となったパフォーマンスは、フランス文化も日本文化も超えて、別次元の世界へと観客をいざなう。DSCN2472.JPG

拍手の余韻をあとにして、観客は魅惑されたまま帰途につく。すでに夢心地なものだから、このまま眠るのを忘れてしまいそうだ。

>> 08/29 >> 夏の終わりのセーヌ川

8537189.jpgヴァケーションが明け、夏休みも終わりに近づいてきたころに開かれる最後の夏フェス、Rock en Seine。会場はパリ中心から少し離れた、Porte de St. Could。オストリッツ駅からメトロで約20分、駅を出るとパリにはない開放感に包まれる。
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Rock en Seineという名前のとおり、会場はセーヌ川沿いの公園。フジロックやサマソニと比べたら規模はぐんと小さくて、ステージはたったの3つしかない。フジロックのように、ステージからステージまで移動するのにプチ登山(!)、なんてことはなくて、ほんの5分ほどフラフラ散歩しているうちに隣のステージに辿りつける。のんびり屋のパリっ子には、このくらいの規模がちょうどいい。実際、芝生に寝転んでおしゃべりしている彼らを見ていると、音楽を聞くことよりも、アウトドアを満喫することに重きを置いているような気がする。

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DSCN2228.JPG夏フェスのお約束、フェスめし。

DSCN2227.JPG各国グルメが並ぶ点では、ここも同じ。

お目当てのメインアクト:R.E.M.のステージ。アメリカのハイウェイを連想させる乾いた、ノスタルジックなサウンドは、緑豊かなパリ郊外の公園で聞くと最高に気持ちいい。

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それにしても、中心地からたった20分なのに、まるでフジロックのような爽快感! 公園というより、森といった方がふさわしいほどの豊かな緑と、澄み切ったcrispyな空気と、視界いっぱいに広がる空。足元に散らばる大量のゴミに目をつぶれば(^^;)、ここがパリだということを忘れてしまいそうになる。

マイケル・スタイプも「Rock en Seineがこんなに心地よいとは思わなかった!」とMCで言っていたとおり、夏の最後を飾るのに、これ以上ふさわしいフェスティバルはないと思う。

>> 08/27 >> おそらく、パリで一番のサクサク

sable_01.jpg夜更け、ちょっと小腹がすいてくると、Michel & Augustineのサブレが恋しくなる。

sable_01.jpg10cm四方の立方体の中に、一口サイズのサブレが6枚。海外モノにしては珍しい個包装。どこにでも売っているわけではないらしく、いまのところLe Bon MarcheとMonopでしか見たことがない。

最初はパッケージの可愛らしさに惹かれて買ったのだけれど、食べてみて驚いた。流通スイーツとは思えないほど、ラグジュアリーなサブレなのだ!


ネーミングから想像できる通り、サクサク魔法を生み出したのはMichelとAugustineという2人の青年。食を愛する2人は、パリ中のブーランジェリーを食べ歩いて、独自にバゲット専用ガイドブックを出版したツワモノでもある。そして、美食のパリにおいて美味しいサブレが少ない現状を嘆き、それならばと自分たちでレシピを開発してしまった、というわけ。

そもそも「サブレ」という名前は、ビーチの砂のように、キュッと力を加えるとハラハラッと砕ける感触に由来する、といわれている。この説が正しいことを知るには、Michel & Augustineのサブレを食べるだけで十分。かぐわしいバターの香りとともに、生地がサクサクッと音をたてて、細かい粒に砕けてゆくのがわかる。砕けた粒は、舌の上ですぅっと、パウダースノウのように溶けてゆく。その瞬間がたまらない。たった1枚のサブレが、ここまで夢心地にさせてくれるとは。

sable_02.jpg原材料はパッケージに明記されているけれど、レシピは当然企業秘密。工場は18区・モットピケにあって、毎月第1木曜日だけ一般公開しているらしい。
とくれば、がぜん訪問したくなるというもの。サブレの冒険は、来月へ続く!

>> 08/26 >> パリとダリア

「ベルばら」の影響か、パリ=薔薇、というイメージが強かったけれど、植物園に行って以来そのイメージは払拭された。いまや私の中で、パリといえばダリア、だ。

DSCN1972.JPG植物園/ Le Jardin du Plantsは、バスティーユからセーヌ川を渡ったところにある。天気のいい日にセーヌ川沿いを散歩していると、自然と足が植物園に向かう。

この場所のいいところは、ツーリストだけでなくパリに暮らす市民の憩いの場であること。そして、都会とは思えないほど自然の恵みに満ちていることだ。世界各国から集められた草花が、競い合うかのように咲き誇る。あまりの色鮮やかさに、自然界がこれほど色彩にあふれていたことをあらためて知る。それと比べたら、流行りのモダンデザインなど足元にも及ばない。


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DSCN2037.JPG色彩の饗宴!

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DSCN2054.JPG日本の松もある。少し懐かしい

DSCN2042.JPGガラスと鉄筋の温室も美しい

DSCN2058.JPG残念ながらこの日は改装中。

そして、ダリア。日本にいるときはそれほど美しいと思ったことはなかったけれど、植物園に来てから、多種多様なダリアがあることを知った。そのバリエーションといったら! 花弁が内巻きだったり、外巻きだったり。先が割れているものもあれば、丸くカーブを描いていたり、針のように細いものもある。花弁の色も、水彩絵具のように透明なものから、アクリル絵具のように鮮やかなものまで、さまざま。しかも、そのひとつひとつに「Carmen」「Bach」「Alegro」など、言い得て妙なネーミングがつけられているから面白い。

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花自体が大きいので、薔薇のように可憐ではないけれど、そのぶん絶対的な存在感がある。文字通り「華がある」花。ダリアがパリを象徴する、とは言わないけれど、刺すような夏の陽射しにもめげずに凛と咲くダリアは、私が憧れる女性のイメージにぴったりくる。色合いや形の違いで、容姿ががらりと変わるところも、おしゃれ好きなパリジェンヌに似ている。

DSCN2108.JPGDSCN2110.JPGすっかりダリアに魅せられてしまって、翌日マルシェでダリアを購入。
たった4ユーロで、舞踏会にでも行くような華やいだ気分になれる。

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定番ですが

2

3

さすが美食の国、なブックストア

バスティーユの夜明け

6

リュクサンブールで恋に落ちて

8

パリのbest sunset

シャロンヌの「扉」を開けて
ボンマルシェは、やばい

12

ミルフィーユ交響曲
metroに乗って。

15

16

エスプリの源はBHV
simpleのタルティーヌ

19

20

マレの隠れ家

22

16区。
農業王国、万歳。

25

パリとダリア
パリで一番のサクサク

28

夏の終わりのセーヌ川
バルタバスからの招待状

31

sideways

Instant London

2009年1月~2月、真冬のロンドン。
始めはパリが恋しかったけれど、
次第に愛着がわいてきた。
Beautiful Losersの街へのオマージュです。

Art of Mobility

最初の目的地が、次の出発地。
パリを脱出して、ヨーロッパ各都市へ。
現在、鋭意プランニング中。

La La La radio

Inter FM/76.1
MasterCard Passport to Priceless
ときどき、海外支局やってます。

Fe & Ca Inc.

所属する制作会社です。

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