>> 08/17 >> エスプリの源はBHVにあった
パリ市庁舎の近くにあるグランマガザン「BHV」。グランドフロアには宝飾品やバッグや洋服のブースが並んでいて、一見すると他のグランマガザンとあまり変わらない。でもBHVの真髄は、1階から上。エレベータを昇ってからが、本領発揮なのだ!
ベッドリネン、バス用品、キッチンツール、食器、ランプ、電化製品、ネジ、DIY、木材、こまごまとした雑貨まで・・・なんだか知ってるぞ、この雰囲気。そう、BHVは生活用品専門店。ちょうど、東急ハンズとLOFTを足して2で割らない感じ、とでも言おうか。
パリの住居は、建物自体が骨董品級に古い。それを、新しく建て直すのではなく、ペンキを塗ったり、壁紙を貼ったり、棚をつけたり外したりしながら、「住める環境」にリアレンジしてゆくのがパリのスタイル。だからこそ、パリの人々はDIYやインテリア改造が大好き。そういう生活から、フランス独特の「美意識」が磨かれるんだと思う。
とくに気に入ったのが、ステッカーシート。タトゥーシールと同じ要領で、シートをハサミでcutして、壁に当ててこするとくっつく仕組み。これはナイス発明!
いちいち壁紙を張り替える必要がないのと、自分好みにカスタマイズできるというのが便利。基本的にシールなので簡単にはがせるのも、賃貸にはうれしい。これは日本のアパートでもイケるのでは?
ということで、私もチャレンジ。ソファに花を咲かせてみたりして。カラーリングがvividなので、貼るだけで部屋の印象がけっこう変わるもんだ。
ドアにも、蝶々を飛ばしてみました(^^)
>> 08/14 >> Metroに乗って。
パリのmetroはどこも古くて暗いのだけれど、一番新しい14番線は珍しく、天井が高くて開放的。乗車口も、東京メトロ・南北線のように、二重扉になっている。一昔前のSF映画に出てきそうな雰囲気も、けっこう好き。ポンピドゥーセンターなんかより、こっちのほうが断然cool。
さて、14番線に乗って、どこへ行こう?
これまたユニークな公園、ベルシーへ。続きは次回。
>> 08/13 >> ミルフィーユ交響曲
当然のことだけど、パリはおしなべて、食べ物が美味しい。
「おしなべて」と書いたのは、観光客相手に適当な料理を出すお店も多いから。でも街角のカフェで食べるごはんも、スーパーに並ぶお惣菜も、素材がいいせいかかなりクオリティが高い。と思う。
でも、フォションはそんなモンじゃなかった。
パリの中でも、最高級にして最上級。造語をゆるしていただけるなら、「The 美食est」!
幾重にも折り重なったパイの層は、いくつもの音符が並ぶオーケストラの譜面のごとく。偉大な指揮者が譜面を見て作曲家の意図を汲み取るように、まずは美しい断面を目で堪能する。
緊張感に包まれながら、最初のタクトが振り下ろされ・・・
ザクッ。
潔いユニゾン。
しっかり焼き固められたパイの香ばしさ、それを後から追いかけるバターの風味。こしのあるカスタードが、ビオラのように甘美な旋律を奏でる。フルーツやショコラといった装飾のないシンプルな構造なのに、少しも食べ飽きないのはなぜか。ひとつの主題が展開するように、層の1枚1枚がハラハラとほどけて、新しいメロディが口の中に広がる。
繊細な響きは徐々に重なりあって、気がつけばダイナミックなクライマックス。余韻を確かめるように、散らばったかけらを拾い集める。お皿の上がすっかりきれいになった後も、幸福なひとときはまだそこにとどまっている。カーテンコールの後も、歓声と拍手はまだ鳴りやまない。
>> 08/11 >> ボン・マルシェは、やばい。
家さがしをしていたとき、モンパルナスに住みたくていろいろ物件を見て回った。結局ご縁がなかったけれど、いまでも何かと理由をつけて、モンパルナスに遊びに来ている。
私がこのエリアに固執する理由は2つ、いやたぶん3つあって、そのひとつは先日書いた「リュクサンブール公園」。もうひとつが、老舗グランマガザン「ボン・マルシェ」。
|
|
メイン館とグランエピスリー館の2つに分かれていて、私のお気に入りは(もちろん)グランエピスリー。ここでは、生鮮食品から調味料、お菓子や嗜好品まで、ありとあらゆるジャンルの食材が手に入る。まさに、グルメのセレクトショップだ。
グルメ専門店としては、ラファイエットのグルメ館も有名だけれど、あちらはわりと「高級志向」。品揃えの豊富さという点では、ボン・マルシェのほうが上をゆく気がする。どのアイテムも、つい手が伸びるほど可愛くて、美味しそう。そしてもちろん、私は毎回買いすぎる。
いつも、両手いっぱいに買い物袋をさげて帰るハメになって、メトロの中で「やっぱりモンパルナスに住みたかったなぁ」と思う。でもきっと、モンパルナスに住んでも、買い物袋の量は減らない、とも思う。