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NO WAY TO STOP MY STEPS.
EVERY TINY THING ENCHANTS ME.
STILL CHARMED IN THE DREAM.


updated: 2009-04-28

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>> 09/30>> シャンゼリゼ通り=シトロエン。

パリに来て2か月、いまだにシャンゼリゼ通りに行くのは苦手。
あまのじゃくな性格が災いしているのかもしれないが、それを差し引いても、ここは落ち着かない。観光客相手の土産モノ屋やツアーバスのアイドリングで、せっかくの美しい凱旋門の景観が損なわれる気がするし、何よりも、誰もかれもがデジカメの撮影に夢中で、何だか見世物小屋に来たような、居心地の悪さを感じてしまう。

そんなシャンゼリゼ通りで唯一心を許せるのが、シトロエンのショウルーム。

DSCN1785.JPGシャンゼリゼ広場から凱旋門に向かってすぐ、右手に見える。ちょうど1年前にオープンしたばかりで、しかも、シャンゼリゼ通りに32年ぶりに登場した新装ビル、だそうだ。

楔のようなV字のファサードは、別名「ガラスの折り紙」。いわずもがな、シトロエンのシンボルマークがモチーフになっている。ターンテーブルのようなフロアには、市販車・レースカー・コンセプトカーが各種展示され、来場者はターンテーブルを囲む螺旋階段から、マシンをのぞく。

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インテリアは赤と白で統一されていて、フロアの案内表示のデザインも可愛らしい。外側も内側もきらきらと反射して、光に包まれているようで、心なしかウキウキした気分になる。あくまでもショウルームであって、実際にクルマを販売することが目的ではないから、観光客でごった返すということもなく、ゆっくりデザインの妙を堪能できるのがいい。

クルマ好きでなくても楽しめる、シャンゼリゼの穴場。ひとつだけ難をいえば・・・腰を落ち着ける場所がないこと!これでカフェがあったら、最高なのに。

>> 09/27>> 限りなく透明に近い・・・

DSCN3561.JPGモンパルナスの墓地からラスパイエ通りを歩いてゆくと、モダンアートの実験室、カルティエ財団現代美術館がある。建物の中で展開されるエキシビションも面白いけれど、建物自体も、それと同じくらい注目に値する。

フランスの建築家:ジャン・ヌーヴェルの代表作となった建物は、うっかりすると見逃してしまいそうなほど、限りなく透明に近いガラスの箱。前面:エントランスに立つ巨大なガラスのパネルが、歩道との境界をつくる。さらにユニークなことに、ガラスの内側はちょっとした中庭になっていて、植えられている樹木は沿道の並木と同じ。ガラスを隔てた内側と外側で、パラレルワールドが展開する!

DSCN3571.JPGガラスのこちら側

DSCN3572.JPG横からみたところ

DSCN3574.JPGガラスの向こう側

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透明なガラスとその内部を満たす自然空間がもたらす開放感によって、オーディエンスは左脳よりも右脳が刺激される。オーディオガイドの小難しい解説にたよることなく、視覚や聴覚をフルに使って、アートを「感じる」ことを強いられる。

たまたま私が訪れたときは、彫刻家セザールの没後10年にあわせた回顧展が行われていた。セザールといえば巨大化した親指の作品が有名で、ここに来る前は、結局ポップアート同様のスタントじゃないか、と思いこんでいたけれど、回顧展を見て考えが変わる。セザールがいかにして「彫刻」の概念を変えたか、彼の美意識のエッセンスを、理屈ではなくて感覚で受け止めることができたから。
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フランスの芸術家たちが面白いのは、完成した作品そのものだけではなく、その原動力となったコンセプトが実験的で、斬新で、練りに練られていて、それ自体がアートである、ということ。見かけばかり奇抜な「なんちゃってモダンアート」とはわけが違う。そうしたモダンアートを語る上で、カルティエ財団ほどふさわしい場所はそうそう他には見つかるまい。

>> 09/25>> 勝利の美茶、なのだ

お買いものに出かけるたびに、「もっとフランス語が話せたら・・・」と痛感する。

私にとってのショッピングは、何か新しいものを手に入れるというだけでなく、商品の背後にある歴史やストーリーを知ることでもある。店内に入ってから代金を払うまでの間に、どれだけ楽しい時間を過ごせるかは、お気に入りのアイテムを見つけるのに等しいくらい、大切なこと。
だから、必要最低限のフランス語はこなせても、そこから先の会話を楽しむ余裕はないゆえ、買物のたびにもどかしい思いをする。

マドレーヌ広場の北、マルゼルブ通りで見つけた紅茶専門店「Betjeman & Barton」は、創業1919年、見るからにラグジュアリーな店構え。少し気遅れしながらも、美味しい紅茶が飲みたいがために、思い切って足を踏み入れる。

DSCN3617.JPGアッサムやダージリンといった定番から、このお店のオリジナルブレンド、フルーツやハーブでフレイバーをつけたもの。ずらりと並んだ茶葉の缶から、客の好みに応じて店員がセレクトする。ラベルを見ただけでは香りが想像できないから、目当てのフレイバーを見つけるためには、いくつも会話を重ねてゆかなくてはならない。おそらく、いままでで一番フランス語を使ったショッピング。相手に勧められるがままではなく、つたないながらも、ちゃんとこちらの意図も伝えて。

努力の成果は、中国茶にオレンジの香りをプラスしたPouchekineと、桃と煎茶をブレンドしたMalesherbes。ささやかかもしれないけれど、頑張った自分にご褒美、の1杯。

>> 09/24>> ときにはドラマのように

DSCN3506.JPG現代のパリの原点は、19世紀後半にパリを統治していたジョルジュ・オスマン知事の功績といわれている。彼の指揮のもと大規模な都市改造が行われ、凱旋門やシャンゼリゼに代表されるような「これぞパリ」的なランドスケープが作られた。パリ8区は、まさにその典型。

オスマン大通りの両側にならぶ建物は、重厚で威厳たっぷり。大きく張り出した窓や、1階と2階を貫く大円柱や、見上げるほどに背の高いエントランスは、ずっしりとして、いかめしい。こぢんまりとしたマレ地区の風景に見慣れてしまったせいか、たまにこの近辺を歩くと、巨人の国に迷い込んだガリバーのような気分になる。

DSCN3502.JPG公園も、パリの他の地区とはかなり趣が異なる。そもそも、入口の門構えからして全然違うのだから!
まず、通りに面したところに鉄柵がひとつ。その向こうにもうひとつ低い鉄柵があって、その奥が公園になっている。柵と柵のあいだは20~50mほどだろうか、両側には威風高々な建物がならび、さながら個人の邸宅の中庭にうっかり迷い込んでしまったような気分になる。なんたるプレリュード!


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モンソー公園は、パリの中でも比較的早い時期に造られた公園で、その歴史は18世紀・パリ革命にさかのぼる。オルレアン公の名を受けた劇作家カルモンテルは、古代エジプト文明から18世紀後半にいたるまでの人類の歴史、人類の文化すべてを、園内に再現したという。そのため、ここではすべてが「芝居がかって」見える。

DSCN3475.JPGローマ時代のコロッセウムを連想させる、崩れかけた円柱。池の中央には柳が枝を垂れ、鏡のような池に影を落とす。あたりは一瞬にして劇場と化し、非現実的でドラマティックな空間を作り出す。

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ここでは誰もが、壮大なスペクタクルの一部となって、見えない観客に向かってアクトをしているかのようだ。すべての動き、すべての景色が劇的。ただ散歩をしているだけなのに、気づけばなぜか、胸が高鳴っている。

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>> 09/22>> 黄金のぶどう

マルシェの品ぞろえからも、季節が変わったことに気づく。たとえば、ブドウの種類が増えていたりとか。

フランスで美味しいブドウ、といえば、南仏・moissac産のChasselasという品種。AOCに認定されていて、ちまたでは「raisin d'or=黄金のブドウ」と言われている。ちょうどTVで特集をしていて、こいつは食べてみなくちゃと思っていたら、翌日マルシェで発見。黄金とよばれるだけに、他のブドウより値段も少々高い。といっても、日本のように破格値がつくほどではないけれど。

DSCN3425.JPGうすい琥珀がかった果実は、陽に透かすと宝石のように上品に輝く。そして、見かけからは想像できないほど、甘い!

マスカットのような酸味を想像していたら、見事に裏切られた。べたべたとした甘ったるさではなく、はちみつのようなコク。そのあと、軽い余韻を残しながら、すぅっと舌の上で消えてゆく。その潔さがたまらなく上品。これはしばらく、病みつきになりそうだ。

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ポワシー、そして点と線
これが本場、ってことだ

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神々が見守る中で。

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lilleとアンティークとムール貝

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時を超えて

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建築は、哲学する。
夕陽がしずむころ
nuit blanche

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パリの境界

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文化とは

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黄金のぶどう

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ときにはドラマのように
勝利の美「茶」、なのだ

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限りなく透明に近い・・・

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シャンゼリゼ通り=シトロエン。

sideways

Instant London

2009年1月~2月、真冬のロンドン。
始めはパリが恋しかったけれど、
次第に愛着がわいてきた。
Beautiful Losersの街へのオマージュです。

Art of Mobility

最初の目的地が、次の出発地。
パリを脱出して、ヨーロッパ各都市へ。
現在、鋭意プランニング中。

La La La radio

Inter FM/76.1
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ときどき、海外支局やってます。

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所属する制作会社です。

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