pariSkecth

印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |



NO WAY TO STOP MY STEPS.
EVERY TINY THING ENCHANTS ME.
STILL CHARMED IN THE DREAM.


updated: 2009-04-28

avril

mars

fevrier

janvier

decembre

novembre

octobre

septembre

aout

>> 09/06>> 神々が見守るなかで。

ヴァカンスシーズンも一段落ついて、観光客の姿も減って、パリは少しずつ本来の姿を取り戻しつつある。ルーヴル周辺も、(週末は別にして)平日はずいぶん落ち着いてきた。

DSCN2681.JPGシーズンインのときは気づかなかったけれど、ルーヴルの目の前:ティエルリー公園の麗しいこと!公園のまわりを大理石の彫像がぐるりと取り囲み、黄昏に照らされて神々しさを放つ。その風格と気品に見惚れているうちに、いつのまにか歩みが遅くなる。とくにこの日は雨上がりの夕方で、済んだ空気が一段と厳粛な気持ちにさせる。

DSCN2667.JPG

DSCN2657.JPG

DSCN2652.JPG

ティエルリーは観光名所であるだけでなく、パリっ子の生活のワンシーンでもある。仕事帰りと思しき男性がサンドイッチをほおばっていたり、待ち合わせ中のカップルがいたり、昔を懐かしむかのように、老婦人がはしゃぐ子供に微笑んでいたり。神々に見守られながら、パリの夜が静かに始まる。

DSCN2671.JPG

>> 09/04>> これが本場、ってことだ

マカロンといえば、やっぱりピエール・エルメ。

DSCN2710.JPG写真奥:シルバーのマカロン「ジャスミン」 写真左:期間限定「マカロン・デリシュー」 写真右:・・・うっかり忘れてしまった(^^;)

東京にもあるじゃん、と思って、パリに来た当初はかたくなに避けていたけれど、カンボン通りにエルメのマカロン専門店があると聞いて、行かずにはいられなくなってしまった。

「マカロン・デリシュー」は、期間限定・しかも・・・ワサビ味!グレープフルーツのジュレとピールに、ワサビの取り合わせはいかにもエルメらしい。数年前にインタビューしたときに、「ワサビに興味があるけれど、どう使うかはこれから研究するよ」と言っていたけれど、見事実現してくれた、というわけ。

一口食べた最初の印象は、グレープフルーツの味しかしない?と、半分がっかりしかけたところへ、時間差攻撃!ほんのり、でも鼻にツゥンとくる刺激は、たしかにワサビ。柑橘の爽やかさを鋭くしたような感じで、おそらくワサビの味覚よりも、「刺激」の方にポイントをおいているのだと思われる。

ワサビと同じくらい感動的だったのが、ジャスミン。シルバーの仰々しい外見とはうらはらに、繊細な茶葉の香りがうっとりさせてくれる。フランスのお菓子は、どれも一様にお砂糖タップリで、砂糖の味しかしないんじゃないかと思うぐらいに甘いのだけれど、エルメのマカロンは「香り」が美味しさの主役になっている。

それにしても、ワサビ抜きにしても、エルメのマカロンはすごい!東京でも結構頻繁にいただいていたけれど、やっぱり本場のマカロンは格が上。歯にあたったときはカリっとして、噛んだときのふわっ。同じエルメでも、この感触は東京では味わえない。グローバル化によって、海外で同じものが手に入るようになったとしても、やっぱりオリジナルにはかなわない、という教訓。

>> 09/03>> ポワシー、そして点と線

1日中雨、という天気予報を信じて家でじっとしていたら、見事に裏切られた週末。少し悔しくなって、近場でどこかへ出かけようと、ポワシーに行ってきた。ポワシーはパリ20区外、いわゆる「イル・ド・フランス」というエリア。近代建築の聖地、とされるル・コルビュジェのサヴォア邸があることで有名な町。

駅を降りた瞬間、パリとはまったく違う町並みに驚く。白い石造りの家が多いパリとは打って変わって、ドイツの田舎でよく見かける赤い煉瓦づくりの家が目立つ。レース模様の柵がついたバルコニーや、オスマン風の建物はほとんど見あたらない。

ガイドブックには「駅からバスに乗って~」と書いてあったけれど、地図を見たら余裕で歩けそうな距離。見慣れない風景を楽しんでみたいのもあって、徒歩で向かう。とはいえ地図がないので、道路標識をたよりにキョロキョロしながら、ゆるやかな坂を登ること15分。

DSCN2506.JPG森の静寂の中を進んでゆくと・・・

DSCN2482.JPG空の蒼と白壁のコントラスト

DSCN2496.JPG青々とした芝生に転がる、おもちゃのよう

DSCN2487.JPG差し込む光が、豊かな空間を作る

サヴォア邸の敷地面積は驚くほど狭い。でも、部屋のレイアウトと、水平に切り取られた窓からたっぷり差し込む太陽光とで、中にいると少しも窮屈に感じない。建築に詳しいわけではないが、ここがコルビュジェの偉大なところなんだろう。

そして、ポワシーの冒険は、サヴォア邸を出てから。

ガイドブックには、ポワシー=サヴォア邸、ぐらいにしか書かれていないので、大抵の観光客はここからバスに乗ってまっすぐ駅まで戻ることになる。でも、そこをあえて歩いてみると、この町が意外な発見に満ち溢れていることに気づく。

DSCN2518.JPGたとえば、サヴォア邸のとなりにはコルビュジェの名前をとった大学があり、その向かいには、カラフルにペイントされた住宅団地。どれも均一な長方形の建物だけれど、区画ごとにカラーリングが違っていて、しかもそのひとつひとつがリズムを持って目に映る。サヴォア邸のある場所は高台なので、帰り道には、川のほとりに広がる森とその周囲に広がる赤煉瓦の屋根が見渡せる。パリでは見かけない、化粧を落とした素顔のセーヌだ。

石塀に囲まれたパッセージを見つけたので、ちょっと寄り道。画家:メッソニエが開いたアトリエだった。まるで時計が止まったかのように、穏やかで、のどかで、神秘的。

DSCN2530.JPG

DSCN2536.JPG

DSCN2546.JPG

DSCN2542.JPG

ガイドブックの言う通りにバスで移動すれば、たしかに効率的だし、短い滞在を有効に活用するにはそれが一番かもしれない。でも、バスで行動していたら、こうした風景を見逃していただろう。駅からサヴォアへ=点から点への移動は、観光であって、旅ではない。旅の醍醐味は、時間をかけて歩きながら、点と点を線で結ぶこと。しかも、できるだけグニャグニャの曲線を描くこと、なんだと思う。

ポワシーに限らず、パリに限らず、見知らぬ都市を旅するとき、もし体力と時間に余裕があるなら、できるだけ歩いてみる。マップに何も載っていなくても、きっと何かが見つかるはずだから。

septembre.png

1

2

ポワシー、そして点と線
これが本場、ってことだ

5

神々が見守る中で。

7

lilleとアンティークとムール貝

9

時を超えて

11

12

13

建築は、哲学する。
夕陽がしずむころ
nuit blanche

17

パリの境界

19

文化とは

21

黄金のぶどう

23

ときにはドラマのように
勝利の美「茶」、なのだ

26

限りなく透明に近い・・・

28

29

シャンゼリゼ通り=シトロエン。

sideways

Instant London

2009年1月~2月、真冬のロンドン。
始めはパリが恋しかったけれど、
次第に愛着がわいてきた。
Beautiful Losersの街へのオマージュです。

Art of Mobility

最初の目的地が、次の出発地。
パリを脱出して、ヨーロッパ各都市へ。
現在、鋭意プランニング中。

La La La radio

Inter FM/76.1
MasterCard Passport to Priceless
ときどき、海外支局やってます。

Fe & Ca Inc.

所属する制作会社です。

say hello!

GIF_col_Mail.gif accok@feca.jp