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NO WAY TO STOP MY STEPS.
EVERY TINY THING ENCHANTS ME.
STILL CHARMED IN THE DREAM.


updated: 2009-04-28

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>> 03/08>>ファッションウィークがやってきた

DSCN3742.JPG街ゆく人々の服装がやけにカラフルだと思ったら、ファッションウィークだったことを思い出した。

ファッションウィークの訪れを告げる、3つのサイン。
ひとつは、道行く人々の服装がカラフルになること。
DSCN7087.JPGパリジャン・パリジェンヌはシックだけれど、際立っておしゃれというわけではない。少なくても、日本の雑誌に載っているようなファッションとはほど遠く、普段着はグレーやブラックをメインに、せいぜい差し色でヴァイオレットかルージュを加えるぐらい。やたら色鮮やかなコートやサングラスや奇抜なヘアスタイルを見かけたら、ほぼ間違いなく外からやってきたファッションピープルだと思っていい。

ふたつめは、白いテント。
パレロワイヤル、ルーヴル、ティエルリー、コンコルド、このあたりに白いテントが建つ。紛れもない、コレクション会場の印。こうした場所のまわりでは、各国メディアの人々が、カメラを持ってセレブの到着を待ち構えている。耳を澄ますと、フランス語よりも英語率のほうが高い。

みっつめは、ショウルーム。

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いつものようにマレを散歩していると、見かけないショウウィンドウを発見する。「あら、新しくお店がオープンしたのかしら?」と思ってのぞくと、じつはブランドのショウルーム。ふだんはギャラリーだった場所を、この時期だけショウルームとして利用しているのだ。ショウウィンドウに並ぶ新作はどれも可愛くて、思わずのぞいてみたくなるけれど、当然アポイントonly。こっそり外から伺うと、モデルやらエディターやら、そういう人々が入れ替わり立ち替わりやってくる。運がよければ、ロケの現場に遭遇することもある。

普段のパリとはちがう、少しよそゆきのパリ。
そしてここから、世界のトレンドが形作られる。

>> 03/06>> La Nuit à l'Opera, du Parc

いよいよ、待ちに待った瞬間がやってきた。

オペラ座の夜。

オペラ・バスティーユではない。オペラ・ガルニエだ。

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初めてその姿を見た時、パリはなんて美しい街なんだろうと感激したのを思い出す。その気になればガイドツアーで内部を見学することもできたけれど、ここだけは特別のような気がして、観客として訪れる日まで待とう、と心に決めていた。

今日がその日。演目は人気のバレエ「Le Parc」、しかも初日。すこし奮発して、オケ席を手に入れる。

入口を入ったとたん、ガラスの靴を履いたシンデレラのように、別世界へ連れて行かれる。赤絨毯、らせん階段、磨かれた大理石の床。シャンデリアの灯りをうけて鈍く光る、金装飾。たっぷりと豊かにたれる、繻子のカーテン。シャンパングラスを手に開演時間を待つ人々の談笑が、高い丸天井にやさしくこだまする。

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映画の世界に入り込んだような錯覚は、客席に入るとさらに増長する。壁には竪琴のモチーフ。バーガンディーの座席には、金細工の彫り物で番号が施されている。インテリアのひとつひとつ、細部にいたるまで、すべてがエレガント。少しも手を抜いていない。建物そのものが芸術作品で、観客もその一部になったような、そんな気分になる。

ふと頭上を見上げて、はっと息をのむ。シャガールが描いた天井画。独特の淡いトーンとたおやかな線が、「魔笛」「白鳥の湖」「ジゼル」などの場面を描く。豪奢なインテリアの中で、それは他のどのシャガール作品よりも柔らかく、幻想的なオーラを放つ。これから舞台で始まる夢物語を予告しているかのようだ。

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灯りがすこしずつ暗くなって、開演。マエストロのタクトが振られた瞬間、全身に戦慄が走る。音の反響のぐあいといったら!身体の芯をすぅっと、鋭く、かつ爽やかに抜けてゆく。オケ席だからというのを抜きにしても、この音響環境は最高だ。
「Le Parc」は身体表現の究み。踊り手は語り部であって、主役はあくまでもコリオグラフ。美しく舞う、という以上に、舞いによって語る。これだけでも十分圧倒的なのに、この環境で鑑賞できるなんて、感動を超えて衝撃だ。夢から覚めるのを惜しむかのように、カーテンコールではいつまでも拍手を送り続けた。

夜の闇に輝くオペラ・ガルニエは、いままで以上に麗しい。私はこの夜を、一生忘れないだろう。

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>> 03/05>> St. Paul、冬の1日

DSCN0267.JPGいくらパリが世界で一番旅行者が訪れる都市だといっても、やっぱり冬はおとなしい。どマレのSt. Paulもその例で、週末でもずいぶん静か、平日ともなればなおのこと。でも、その閑散とした雰囲気が気に入ってしまって、夏場は足が遠のいていたけれど、最近はお気に入り散歩ルートNo.1になっている。

St. Paulといえばアンティーク。石畳の路地に囲まれた一角が、すべてアンティークショップで埋められている。リヴ・ゴーシュのほうはいわゆる"骨董品"店が多いのに対し、川のこちら側はそこまで肩肘張らず、雑貨探しの延長で立ち寄れるお店が多い。銀食器、キッチン用品、年季の入った万年筆、デッドストックのファブリックetc... おばあちゃんの家の屋根裏に迷い込んだような、わくわくした気分になる。

St. Paulは秘密基地だ。クルマやオートバイが走り抜ける小道をそれ路地に面した門をくぐると、広々とした中庭に放り込まれる。空間の中央に、枝をのばした木が1本。その周りをアパルトマンの建物が取り囲む。アンティークショップの扉を誰かがぎぃ、と開けるたびに、からんからんと鈴の音が石畳にこだまする。どこかの窓から、猫が退屈そうにこちらを見下ろす。

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DSCN0253.JPG映画「Before Sunset」の最後に出てくるソフィーのアパルトマンはきっとこんな感じなんだろうなあ、と勝手に想像していると、静寂のなかからニーナ・シモンが聞こえてくるようだ。アンティークショップの灯りが石畳を温かく照らす。枝の向こうに広がる灰色の冬の空。風に流されてゆく雲だけが、時間の経過を伝える。
こういうリズムが私は好きだ。

>> 03/04>> atelierで。

06032009278.jpgパリに来る前から、ずっと行ってみたかった「Atelier des Chef」。初めてチャレンジしたのが去年の暮れ、それから何度か、ひまを見つけては通うようになった。

本格シェフのレシピを一般家庭のテーブルにも、という目的で設立され、今年で5年目。パリ市内だけで5か所のキッチンがあって、毎日日替わり、1回ごとの受講。基本はトラディショナルなフレンチだけど、パリの食トレンドを反映してか、アジアンフレンチやイタリアンなどのクラスもある。ガイドブックにも載っているので、パリジャンだけでなくトラベラーの参加も多い。シェフのデモンストレーションを参考に、参加者も厨房に立って調理しながら、全員でその日の献立を仕上げてゆく。

06032009280.jpg英語での受講もOK、と言われるのだが、せっかくパリにいるのだからやっぱりフランス語で習いたいもの。つたないながらも、無理してフランス語で参加する。デモンストレーションがあるので用語が分からなくても理解はできるけれど、会話するのは難しい。調理と語学、いっぺんに2つの作業で脳は左右とも爆発寸前。それでも通ってしまうのは、(場所とクラスにもよるけれど)調理したメニューをその場でいただける、という点にある。

私が初めて受講したのは、メイン+デセールの2皿クラス、メニューはサーモンとポワロのグラタン&アーモンドと洋ナシの赤ワイン煮のタルト。私のほかに、手際のよいマダム、カップル、女性2人組、男性の参加者も2人。フランス人だからといって、全員が料理上手というわけではなく、女性のほうは包丁の扱いがおぼつかない。エシャロットのみじんぎりも、人によってはさいの目切りに限りなく近い。それでも1時間であっという間に2皿完成、レストランで出てくるような飾りつけをして、グラスワインと一緒にBon Apetit!

自分たちが手がけた作業は、洋ナシをスライスするとか卵黄を取り分けるとかその程度だけれど、それでも、さっきまで生の素材だったものが立派な一品に変わって、実際に味わうというのはちょっとした体験だ。舌で味覚を確かめつつ、作業を振り返ってああだこうだと会話が始まる。それまではまったくの他人だったのが、料理という共通言語でむすばれてゆく。

ただ単にレシピを覚えるのではなく、みなでテーブルを囲むこと。
Atelier des Chefは食の本質を教えてくれる。

>> 03/01>> Paris encore. Et le printemps aussi.

2009年1月 寒空のパリを発ち、曇り空のイギリスを旅して、再びパリへ戻る。数か月たったあとも、この街は相変わらずエレガントだ。あまりの嬉しさに、初日はメトロにも乗らず、雨に降られても気にせずに、久々に見る懐かしい街並みを歩きまわってしまった。

モンパルナスに用事があったのに、なぜか足はカルティエ財団美術館へ向かう。地図を見なくても、(多少迷い気味ではあるが)体が方向を覚えている。私の街。いつものとおり、ガラス張りの建物はいつみても気持ちい。そうだ、エキシビションの前に、庭をぐるりと見て回ろう。

あ、こんなところに春が。

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裸の枝の先に、こっそり隠れるように咲いていたサクラ。冬空の下では余計にはかなく見える。

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少しずつだけれど、春は確実にパリにやってきている。

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paris encore, et printemps aussi

2

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atelierで。
st paul、冬の一日
la nuit a l'opera, du parc

7

ファッションウィークがやってきた
nicolasに夢中
coletteで見つけた意外なもの

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あなたにも、merci

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パリの厨房

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夜のカルティエラタン

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ブランクーシとの対話

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ルクサンブールでお花見

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paris in bloom

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sideways

Instant London

2009年1月~2月、真冬のロンドン。
始めはパリが恋しかったけれど、
次第に愛着がわいてきた。
Beautiful Losersの街へのオマージュです。

Art of Mobility

最初の目的地が、次の出発地。
パリを脱出して、ヨーロッパ各都市へ。
現在、鋭意プランニング中。

La La La radio

Inter FM/76.1
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ときどき、海外支局やってます。

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所属する制作会社です。

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