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NO WAY TO STOP MY STEPS.
EVERY TINY THING ENCHANTS ME.
STILL CHARMED IN THE DREAM.


updated: 2009-04-28

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>> 04/24>> 彫刻の庭

DSCN7644.JPGサンジェルマンの駅前にある不思議な彫刻に目を惹かれたら、そのまま少し南へ歩いて、ザッキン美術館まで出かけてみよう。静かな住宅群に埋もれた小さな門をくぐると、彫刻の庭が待っている。

彫刻家ザッキンのアトリエを改装したこのミュゼは、間口2軒ほどの小さな建物。中庭も決して広くはない。そこに巨神兵のごとく、奇妙な形をしたキュビズムの彫刻たちがにょっきと立ちはだかるものだから、いやがおうにも圧倒される。

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ときにはメビウスの輪のように、ときには折り紙のように、面が複雑に重なり、曲りくねり、絡み合う。その不可思議な暗号を解こうと見入っているうちに時間を忘れ、気がつけば1時間以上も長居してしまう。

ミュゼには彫刻だけでなく、彫刻のための習作や、彼が描いた油彩画・水彩画なども合わせて展示してあって、ザッDSCN7648.JPGキンが彫刻を絵画のように創作していたことがうかがえる。とくに私が気になったのは、凹凸のつけ方。習作の時点では膨らんでみえる箇所が、彫刻ではへこんでいたりする。へこませることで面に影ができ、それが逆説的に面をふくらんだように見せる。

ハイライトは彼の代表作「心臓のやぶれた男」。何かを訴えるかのように空に向かって両腕を延ばす像は、身体の中央を貫くように亀裂が走り、胸の部分にぽっかり空洞が開いている。その力強さはロダンの作品とは違って、形を超えたところから生まれるインパクトだ。

虚の中に実を表現する。ザッキンには少し禅の香りがする。フランス文化は意外と日本の伝統文化と共通するところが多い、と思っていたけれど、ザッキンを見てその思いがまた強くなった。

>> 04/23>> a bit of oriental twist

DSCN8845.JPG11区:Faubourg St. Antoineにあるパティスリー「Tesnime」には、フランスの定番であるバゲットやクロワッサンやパン・オ・ショコラの類が見当たらない。その代わり、アーモンドやセサミをまぶした一口サイズのお菓子が山のように積まれている。ここはアラブや北アフリカ圏のお菓子専門店。そう、パリはNYに負けないほどの多国籍都市なのだ。

フランスのマカロンやボンボン・ショコラに比べると見た目はずいぶん素朴だけれど、ナッツで飾られたお菓子はなんとも異国情緒たっぷりで、通りすがりの人々をショウウィンドウの向こうから魅了する。しかもこの店はバリエーションが豊富で、種類別にガラスや銀の食器に盛られているさまはまるで王家の食卓のようだ。口にふくむと、しっかり焼き固められた生地の中から、はちみつの優しい甘さがじわっと広がる。ここはサロン・ド・テにもなっていて、ショウケースの中から好きなお菓子を選んで、ミントティーと一緒に賞味することもできる。ランチタイムに出されるタジンやアラブ風パンケーキも美味しい。DSCN8841.JPG

パリ市内にアラブ系の飲食店はたくさんあるけれど、ここは少し別格で、インテリアもパープルで彩られ、モダンで居心地がいい。とくにバスティーユからナシオンにかけては、こういう個性的なお店が多い気がする。
J'adore le 11em 。これだから、11区から離れられない。

>> 04/20>> Nous tous aimons Nutella

DSCN6496.JPG右が本家、左は似て非なる類似品美食家のパリジャン・パリジェンヌが一番好きなショコラは?
答えは、スーパーマーケットの棚に並ぶ、チョコスプレッド、Nutella!

パリでは、ショコラとNutellaはほぼ同義に近い。街のクレープ屋のcrêpe chocolatはほぼ間違いなくNutella。ベニエの中身も、ワッフルにも、ときにはチュロスにも。ちびっこの朝ごはんはパンにNutellaが定番だ。そのせいだろう、フランス人にとってNutellaは幼少時代の思い出と強く結び付いていて、誰もがノスタルジーを感じるらしい。発祥はイタリア・ピエモンテなのだが、そんな事実は忘れてしまうぐらい、フランスの生活に溶け込んでいる。俳優ジェラール・ドパルデューも、イタリアのとある美術展のオープニングセレモニーに招待された際、出席を承諾する代わりに「白トリュフのフルコースと、自分の体重分のNutella」をリクエストしたとか。

日本の消費社会のスタンダードで考えれば、これだけみんなが好きなら、似たような商品が複数発売されて寡頭競争が行われてもいいはずなのだけれど、なぜかスーパーの棚に並ぶのはNutellaだけで、類似品はほとんど見当たらない。その点をフランスの友人に尋ねたら、「Nutellaが一番おいしいからよ!他のメーカーのものは美味しくないから、売っても売れないの」。
そんなばかな、たかがチョコスプレッドじゃないか、とパリジェンヌ相手に覆面テイスティングを敢行したところ、みごと味だけでNutellaを見分けていた。実際に食べ比べてみると、たしかに。シルクのように滑らかな舌触り、チョコの甘さの奥からノワゼットの香ばしい香りがやってくる。なるほど、どうりで独占市場なわけだ。

DSCN8687.JPG本屋をのぞいたら、40周年の際に発売されたNutellaの本を見つけた。カリスマ・シェフたちが各々のNutellaの思い出を語りつつ、オリジナルのNutellaレシピを披露する。フォアグラと合わせたり、ムースにしてトマトソースに浮かべたり。ここまでくるとひとつの「文化」、たかがチョコスプレッド、などと馬鹿にはできない。

DSCN8689.JPGあまのじゃくな性格ゆえ、パリに来た当初はかなくなにNutellaを拒んでいたけれど(美味しいショコラテリがたくさんあるのに、なぜスーパーで買う必要がある?!)、いつしか我が家にもNutellaが常駐するようになってしまった。フロマージュブランかヨーグルトに、Nutellaを混ぜてムース・オ・ショコラ風にして食べるのが、家での最高のデセール。知らぬ間に私もNutellaのとりこになっている。

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公園の風景

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time after time

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思いやりの話。
私がパリで見つけたイースターエッグの秘密
そうだ、春でした

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GO West in Paris

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ライラックと緑茶

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パリの中のヨーロッパ

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パリで一番のフランを食べて

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ワンダーランドTATIへようこそ

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Nous tous aimons Nutella

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a bit of oriental twist
彫刻の庭

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sideways

Instant London

2009年1月~2月、真冬のロンドン。
始めはパリが恋しかったけれど、
次第に愛着がわいてきた。
Beautiful Losersの街へのオマージュです。

Art of Mobility

最初の目的地が、次の出発地。
パリを脱出して、ヨーロッパ各都市へ。
現在、鋭意プランニング中。

La La La radio

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ときどき、海外支局やってます。

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所属する制作会社です。

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