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NO WAY TO STOP MY STEPS.
EVERY TINY THING ENCHANTS ME.
STILL CHARMED IN THE DREAM.


updated: 2009-04-28

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>> 04/12>> ライラックと緑茶

DSCN8659.JPGシフォンのリボンのように、たっぷりと花弁を垂れるモクレン。
青々とした芝生に、星のように散らばるマーガレット。
ろうそくの灯のように、ひっそりと咲く水仙。

「花の都」とはよく言ったもので、春のパリを歩いているとあちこちで満開の花々にハッとさせられる。よく整備された公園だけでなく、ふとした路地の片隅だったりするものだから、散歩しても気が抜けない。

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ちょうどいま居候している家にも、見事な藤色のライラックが咲いている。ちょうど屋根から覆いかぶさるように咲いていて、毎朝2階のキッチンの窓から眺めていた。自生するライラックを見るなんて、初めてのことだ。

家の住人がひと枝 切ってくれたのを、花瓶に活ける。遠くで見ると鮮やかに色づいて見えた花びらも、近くで見ると意外と淡い。小さな花びらがぎっしり集まって、ブドウの房のように垂れる。そうっと鼻を近づけると、清々しい、それでいて深く柔らかい香り。緑茶の香りに似てますね、というと、あらそうなの?私にはさっぱり分からないけれど、日本人のあなたがいうならそうなのね、とフランス人のマダムが笑う。

DSCN8652.JPGベッドに入るころには、部屋中にライラックのほのかな香りが広がって、なんだかうれしくなった。 今夜はぐっすり眠れそうな気がする。

>> 04/10>> Go West in Paris

16区、メトロ6番線、Passy。
駅の改札を出て、階段を降りると、目の前に舞台が現れた。

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二階建ての鉄橋、ビル・アケム橋。
上階をメトロが走り、歩行者は下階からセーヌの対岸へわたる。

ギリシャ建築を模した鉄柱、スポットライトのように並ぶランプの列。果てしなくまっすぐのびる橋は、まるで花道のようだ。左手にはエッフェル塔。橋をわたっている途中で気がついた。ここは、「Last Tango in Paris」で、マーロン・ブランドが歩いた道。どおりでドラマティックな気分になるわけだ。

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11区に住んでいると、どうしても反対側:西のほうには足が出向かないもので、もちろんピンポイントでブーロニュの森やヴェルサイユの見本市に行ったりはしていたけれど、日常の西端はエッフェル塔の少し先、イエナ橋ぐらいまでだった。

パリはずいぶん歩いたと思っていたけれど、いやいや、私の知らないパリはたくさんある。

>> 04/08>> そうだ、春でした

Le Bon Marcheの生鮮食品売り場で、見つけてしまった。日本では考えられない白アスパラの山!

30032009476.jpgなんとも壮観

春をよぶ野菜といわれる白アスパラ、本場ドイツ産のは4月下旬ごろから出回るので、いま並んでいるのはフランスやベルギーのもの。産地によってずいぶん値段が違って、いちばんお手軽なのはモロッコ産だ。アタマのところが紫がかっているもの(太陽をちょっと浴びちゃったもの)は、さらにぐんと安くなる。日本で買うのと比べると、びっくりするぐらいお買い得だ。

つねづね思うが、パリの野菜たちはどれも元気だ。ニンジンもトマトもキノコも、しっかり味が濃い。塩コショウやソースがなくても、そのまま食べて十分美味しい。レストランの食事の付け合わせについてくるポテトの甘いことといったら! きっとこれが大地の味なんだろう。

白アスパラも例外ではない。そもそも白アスパラは通常のグリーンアスパラよりも繊維質が多いので、鍋でずいぶん長いことゆでなくてはいけないのだが、ゆでた後のゆで汁にもしっかりアスパラの香りが残っている。ためしにゆで汁だけでリゾットを作ってみたら、身がないのにもかかわらず、お米にしっかり風味が浸みこんでいたのには驚いた。

大地のエネルギーをいただいたところで、春のパリをさらに探検するとしようか。

>> 04/07>> 私がパリで見つけたイースターエッグの秘密

DSCN7635.JPG今週末は復活祭:いわゆるイースター・ウィークエンド。フランス語ではPâqueという。カトリック教国なので、なんのかんのといってもやっぱりブーランジェリーの店先には卵やウサギ型のチョコレートが並ぶし、パリっ子たちもショウウィンドウに釘付けになる。

パリでもショコラは高級品なので、おいそれと買うわけにはいかないけれど、Pâqueだからと理屈をつけて、前からねらっていたパトリック・ロジェのショコラを買ってみた。

DSCN7638.JPGここのお店が好きなのは、季節に応じて店内のディスプレイが変わること。チョコレートで作った大きなオブジェが、店の中央にどんっと構えている。なんでもパトリック・ロジェ氏は彫刻もたしなむらしく、以前グランパレで開かれていたアートフェアにもブロンズ作品を出品していた。
それほどの腕前だから、店内のディスプレイもかなりの超大作で、ジオラマと呼んだ方がふさわしい。せっかくの大作が溶けてしまわないように室内の温度も低く設定してあるのか、お店に入るとかなりひんやりする。

Pâqueにちなんで、イースターモチーフのアソートボックスと、本物そっくりのイースターエッグ。どちらも見た目はシンプルだけれど、食べてみて驚いた。ここのプラリネはいままで味わったなかで最高点だ!!

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プラリネの真髄はカラメリゼしたナッツ。パトリック・ロジェのは、カラメリゼの具合が他のものより香ばしい。口に入れて、まずはカリカリを楽しんだあと、ショコラが溶けてゆくとともに、鼻腔にふぅっとほろ苦い香りがぬけてゆく。このアフターノートは感動ものだ!しかもイースターエッグともなれば、卵の殻の中にぎっしりプラリネが詰まっているのだから、たまらない。

変わったフレイバーを使うといった小細工ではなく、正面から取り組んでなおかつオリジナリティを実現する。これって結構難しい。ショコラに限らず、すべてにおいて。

東京にはエルメもあるし、エヴァンもあるし、メゾンカイザーもラデュレもあるけれど、パトリック・ロジェだけはいまだ未上陸。しばらくはパリだけの秘密にしておきたい気がする。

>> 04/06>> 思いやりの話。

「フランス人って意地悪ですよね。英語で話しかけても無視される」
日本からやってきたトラベラーからこういう話を聞くたびに、私は少し悲しくなる。私の印象では、フランス人ほど思いやりにあふれている国民も珍しい、と思うからだ。

DSCN1903.JPGバスでお年寄りに席を譲るのは当たり前の光景だし、メトロの階段でベビーカーをひくお母さんには「手伝いましょうか?」とすすんで手を貸す。道で倒れている人がいれば、だれが呼んだか救急車が飛んでくるし、通行人が落し物をしたら、「音しましたよ」と声をかけあう。交差点ではたいてい、横断歩道があってもなくても、クルマは歩行者のために停まってくれる。スーパーマーケットで会計を待っているとき、買い忘れた物を思い出して列を離れて、戻った時に最後尾に並ぶと、「あなた、私より先に並んでいたでしょ」といって順番をゆずる。たとえどんなに急いでいても、あわよくば割り込もうとする人はいない。買い物したあとの「Merci, bon jornée」というあいさつだって、日本のコンビニで耳にする心ない「ありがとうございました~」よりも優しく響く。

取り立てるほどのことではないかもしれない。けれどこんな些細な親切でさえ、NYや東京やロンドンのような大都市ではめったに見なくなった。誰かがモノを落としても、知らんぷりするような都会生活。コミュニケーションが希薄な現代社会。そういう点で、パリでは世界の主要都市のなかでも、他人を思いやる気持ちが日常にちゃんと残っている街だと思う。

たしかに、パリの住民全員がこうだというわけではない。私だって苦い思いは数えきれないほど経験したし、外国人だからなめられてるな、と感じることも多々ある。でもそれは、何もフランス人に限ったことではない、とも思う。たとえば、日本の生活をふりかえってみよう。日本語が話せない外国人に対して、私たちはつねに寛容だと言い切れるだろうか?英語がつうじなくて困る経験は、たとえばチェコとかバルセロナとかポルトガルとか、どこでだって起こりうるのではないだろうか?

DSCN6313.JPGフランス人だって、自分たちの言葉が難解だということは十分承知しているし(だからこそ、フランス語に強い誇りをもっているのだが)、全員がフランス語を話すべきだ、とは思っていない。その点ではNYのほうが厳しいと思う。英語が話せないと、まったく相手にすらしてもらえないのだから!

日本からやってくる人々に、私が何かアドバイスをするのなら、会話の前には必ずBonjourをつけること。お店で注文するときにも、いきなり「Un Café!」 というのではなく、まずは「Bonjour」から始めてみる。フランスでは、コミュニケーションはまず挨拶から始まるのだ。
もうひとつ、MerciとS'il vous plâitは繰り返しても言いすぎるということはない。注文するときにs'il vous plâit、代金を渡すときにs'il vous plâit、商品をもらったらmerci、レジを立ち去るときにもダメ押しでmerci。しつこいようかもしれないけれど、フランスではそのくらいがちょうどいい。さらに言えば、以上のフレーズにMadame とMonsieurを付け加える。これだけで、フランス人に対する印象もずいぶん違ってくると思う。

日本人のメンタリティだと「お客様は神様」だけれど、フランスでは買い手も売り手も平等。たがいにリスペクトしあって初めて、コミュニケーションが生まれる。なにをおいても、フランスはLiberté Egalité Fraternitéの国。思いやりは一方通行ではないのだ。

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公園の風景

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time after time

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思いやりの話。
私がパリで見つけたイースターエッグの秘密
そうだ、春でした

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GO West in Paris

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ライラックと緑茶

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パリの中のヨーロッパ

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パリで一番のフランを食べて

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ワンダーランドTATIへようこそ

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Nous tous aimons Nutella

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a bit of oriental twist
彫刻の庭

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sideways

Instant London

2009年1月~2月、真冬のロンドン。
始めはパリが恋しかったけれど、
次第に愛着がわいてきた。
Beautiful Losersの街へのオマージュです。

Art of Mobility

最初の目的地が、次の出発地。
パリを脱出して、ヨーロッパ各都市へ。
現在、鋭意プランニング中。

La La La radio

Inter FM/76.1
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ときどき、海外支局やってます。

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所属する制作会社です。

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