>> 12/07>> マレの隠れ家
パリの日曜日は静かだ。ただし、マレのフランブルジョワ通りは違って、日曜でもオープンしているお店が多いから、ショッピング目当てで大勢の人がやってくる。クリスマス・シーズンなので、この時期はさらに拍車がかかる。
人混みを避けるように、マレの「隠れ家」へ。
マレには小さな公園が点在しているのだけれど、その中でもここは別格。そもそも、存在自体があまり知られていない。しかも、建物の中を通りぬけないとたどり着けない。
Francs Bourgeois通りとRogier通りに挟まれた、とある建物の中庭。
隣接する建物が四方を取り囲み、外の世界から完全に切り離されている。
人影もまばらで、街の喧騒がうそのように静か。
冬は少し寒々しいが、夏には大輪のバラが咲きほこる。中央に広がる芝生には、木馬にまたがって遊ぶ子供。それを温かく見守る老女。ベンチでページをめくる初老の男性。学校帰りの若者たちがたわいもない話で青春を浪費するのを、近隣の住人が、裏窓の鉢に水をやりながら懐かしそうに眺めている。
おそらく、ここはパリっ子にとっても秘密の場所。特別なことは起こらない。だからこそ、ここは特別なのだ。
>> 12/03>> パリ、12月
シャンゼリゼにも、クリスマス・マルシェが立った。本場のマルシェと比べたらママゴトみたいなものだけど、それだってノエルの雰囲気を味わうには十分。いつもが観光天国なものだから、返って本来の情緒を取り戻したようにも見える。
12月は、日本同様フランス人も忙しい。クリスマス休暇をエンジョイするために、仕事をいまのうちに片づけておかなくちゃ、というわけだ。とはいっても、日本の師走のような慌ただしさはなく、むしろクリスマスの雰囲気にのまれて、人々の表情も少し和らいでいるように見える。そういえば今朝、週一の朝市に行ったときも、いつものせわしなさは少しトーンダウンして、売り場で働く人々の間にも笑顔があふれていたような。
元来、クリスマスの時期になると無条件にピュアになってしまう性格なのだけれど、パリにいるとそれが倍増されて、sentimentalな毎日だ。